本研究の詳細については、「労災疾病等医学研究普及サイト(労働者健康安全機構)」をご覧ください。

中間報告(2021年3月25日)

抗がん剤は、がん細胞に対して効果を発現する一方で、正常な細胞にもその作用機序から少なからず影響をもたらすものが多くあります。

抗がん剤の調製時などに発生するばく露によって、医療従事者が健康被害を受けるリスク(職業性ばく露)については、日本国内外ともに多数の報告がなされています。近年、我が国でも抗がん剤の取扱いに関する各種ガイドラインが策定され、各医療機関において手順書が策定及び運用されているところですが、その妥当性の評価等についてはエビデンスがなく、十分になされているとは言えません。

そこで、医療従事者の職業性ばく露ゼロを目指し、国内の多施設における抗がん剤調製の手順について、その工程ごとに飛散の発生する原因・メカニズムを究明するとともに、職業性ばく露を発生させない手順を検討し、標準手順書として広く情報発信していくことを目的として、平成30年7月から本研究を開始しました。

中間報告として、令和元年度には全国労災病院等31施設の抗がん剤調製業務における職業性ばく露対策の実態調査を実施しました。また、抗がん剤飛散量の定量的評価について、抗がん剤調製時の手技・手順の飛散量の比較を継続しています。

本研究の詳細については、「労災疾病等医学研究普及サイト(労働者健康安全機構)」をご覧ください。

医療従事者における抗がん剤職業ばく露ゼロを目指した抗がん剤取扱い手順の開発(2022年6月13日)

抗がん剤は、がん細胞に対してその効果を発現する一方で、その作用機序から、正常な細胞に対しても悪影響をもたらすものが少なからずあります。

抗がん剤の調製時に発生するばく露により、医療従事者が健康被害を受けるリスク(職業性ばく露)については、日本国内外ともに多数の報告がされており、近年では、我が国でも抗がん剤の取扱いに関するガイドラインや手順書が策定されているところです。

しかし、その妥当性についてはエビデンスが少なく、十分に評価されているとは言えません。

そこで、本研究では、抗がん剤を取り扱う医療従事者の職業性ばく露のリスク削減を目指して、実際の抗がん剤調製時の作業手順の検討を行いました。

ばく露の原因と推定される作業工程を分析し、各作業での操作方法について仮説を立てて実験・検証を実施し、これにより得られたエビデンスを基に、最適化した抗がん剤の取扱手順書を作成し、さらには、手順書を基にした映像資料を作成し、各現場での低飛散手技や手順の実施を促しました。

その結果、労災病院4施設において飛散量調査を実施したところ、手順導入前と比べて、実際の実務下における抗がん剤の飛散量がより減少しました。

本研究の詳細については、「労災疾病等医学研究普及サイト」をご覧ください。
https://www.research.johas.go.jp/anzen2018/index.html