労働者健康安全機構では労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでおります。「労災疾病等医学研究普及サイト」では、これまで実施してきた研究成果について掲載しています。
今回はその中で「病職歴データベースを活用した研究」についてご紹介します。
https://www.research.johas.go.jp/bs/
労災病院グループでは、全国の労災病院の入院患者さんにご協力いただき、これまでの仕事や生活習慣等に関する情報を収集しています。その収集した情報をデータベース化して、職業と疾病との関連性についての研究を行い、研究成果は就労者の健康の保持増進及び疾病の予防・治療・職場復帰支援に活用しています。
今般、病職歴データベースの大規模データを用いて、15 年間、約 14 万人の死亡退院者データを分析し、死亡例の季節性および性別・年齢層別にみた死因の特徴等について解析した研究結果が「日本職業・災害医学会誌」にて報告しました。
研究論文が以下のリンクからご覧になれます。
論文タイトル:『15 年間の死亡統計から学ぶ:全国労災病院病職歴データベースによる検討』(病職歴調査研究責任者 豊田 章宏先生)
https://www.research.johas.go.jp/bs/index.html#results
(2023年11月)
2023年1月
労働者健康安全機構では労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでおります。
「労災疾病等医学研究普及サイト」では、労災疾病等医学研究10テーマの研究の紹介に加え、これまでに実施してきた研究成果についても掲載しています。
今回はその中で「病職歴調査」についてご紹介します。
↓↓↓以下のリンク先で内容をご覧ください。↓↓↓
https://www.research.johas.go.jp/bs/ (労働者健康安全機構)
病職歴データベースの大規模データを用いて職業と脳心血管疾患リスクとの関係について解析した結果が「Scientific Reports」にて報告されました。
仕事と疾患リスクとの関連はこれまでにも複数の研究結果が報告されていますが、職業の大分類や職業的な地位との関連を解析した研究が多く、実際の疾患予防対策への応用が難しいところです。
それに対して今回の研究では、職業の詳細分類をターゲットとして疾患リスクとの関連を男女別に検討し、職業特異的な未知の潜在的リスクの検出を試みました。
その結果、81の職業中分類の中で脳心血管疾患リスクの高い職業群が確認できました。
特に男性では、飲食物調理従事者、自動車運転者、漁業従事者、土木作業従事者、運搬作業従事者などは脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)のリスクが高いこと、脳血管疾患と心筋梗塞ではリスクの上昇もしくは低下に関連する職業の傾向が異なること、などが明らかになりました。
脳心血管疾患リスクが高い職業群について産業保健の観点からさらなる発症リスクの要因を検討することにより、今後これらの研究結果は予防プログラムを実施する上で重要な情報になると考えられます。
以下のリンクから研究論文がご覧になれます。
論文タイトル:『A case control study of occupation and cardiovascular disease risk in Japanese men and women』(病職歴調査研究班深井航太先生)
リンクURL:https://www.research.johas.go.jp/bs/index.html#results