長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアル(平成27年11月版) [PDF 1005KB]

はじめに
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)には、医師による面接指導の規定が2つあります。1つは、第66条の8の規定に基づく長時間労働者(時間外・休日労働時間(※)が1月当たり100時間以上の者で疲労の蓄積が認められる者)を対象とする面接指導であり、もう1つは、第66条の10の規定に基づく高ストレス者(ストレスチェックの結果、高ストレスであり、面接指導が必要であるとストレスチェックの実施者が判断した者)を対象とする面接指導です。
※:このマニュアルにおいて、「時間外・休日労働時間」とは、1週間当たり40時間を超える労働時間をいいます。
これらの面接指導は、過労やストレスを背景とする労働者の脳・心臓疾患やメンタル不調の未然防止を目的とするものであり、産業医等の医師は面接指導の場において対象労働者に指導を行うのみならず、事業者が就業上の措置を適切に講じることができるよう、医学的な見地から意見を述べることが大変重要となります。また、働きやすい職場づくりを進めるため、面接指導から得られた情報を職場改善につなげるための意見を述べることも重要です。
このマニュアルは、医師が医学的な見地から意見を述べることの重要性に鑑み、まず、医師が面接指導の結果に基づいて作成する報告書・意見書の様式例とその記載例を示し、次に報告書・意見書の作成の流れを示しており、医師が面接指導を行う際の参考資料として活用していただきたいと考えています。
長時間労働者を対象とする面接指導と、高ストレス者を対象とする面接指導は、独立した制度であり、それぞれ対象及び着眼点が異なりますが、実際の産業保健活動の場面においては対象者が重なる場合もあると考えられ、それぞれの制度に基づく面接指導を併せて実施する場合は、報告書・意見書も1枚で済むよう、このマニュアルでは、様式例として、「長時間労働者用」、「高ストレス者用」、「兼用」の3種類を示しています。
なお、マニュアルの巻末には面接指導時に使用可能なチェックリスト等を参考として例示しておりますが、これらはひとつの例であり、それぞれの医師が工夫して面接指導を行っていただくようお願いいたします。

作成:厚生労働省(平成27年11月、平成28年6月修正)

参考:ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等(厚生労働省)