1.相談員便り

傾聴の5つの態度(塩田隆一相談員)

皆さんは普段、相手の話をどのような態度で聴かれているでしょうか?忙しい時やゆとりのある時など、場面によっても違いがあるかと思います。一方で自分が話を聴いて欲しい時、相手にどのような態度で聴いて欲しいでしょうか? ポーターが提唱した5つの態度を参考にして、日常のコミュニケーションに役立ててみてはいかがでしょうか。

(1)評価的態度
相手の発言が正しいとか間違っているとかを、こちら側が判断しようとする態度。相手が求める評価に合致すれば納得してもらえるが、そうでない場合は相手から反発を受けたり、落ち込まれてしまうことがある。

(2)解釈的態度
相手がまだ気付いていない深い意味や、別の新たな考え方を示そうとする態度。こちら側の解釈が相手にとって役立つ場合もあれば、全く見当違いに受け取られることがある。

(3)探索的態度
相手の発言内容についてもっと知りたい、具体的に話してもらいたくて、更に詳しく尋ねようとする態度。興味関心を示されると相手から喜ばれるが、執拗に尋ねられると負担に感じられてしまうことがある。

(4)支持的態度
相手が不安や心細さを抱えていたり、落ち込んでいる時などに、大丈夫という安心感を与えたり、気持ちを支えようとする態度。相手の負担を軽減する上で役立つが、支持できるだけの根拠が相手に伝わってないと、安心してもらえないことがある。

(5)理解的態度
相手の発言を正確に受け取り、考え方や感情などを理解した上で伝え返そうとする態度。自分の発言を正確に伝え返してもらうと、安心感が芽生えて更に次の話を展開し易くなる。

5つの態度はどれも日常では当たり前に使われています。どの態度も場面にに応じて必要ですが、特に理解的態度を基本に据えると、コミュニケーションがより円滑に進んでいくと思います。是非、日頃から意識してみましょう。

《塩田相談員の研修会》
https://okayamas.johas.go.jp/tag/shiota_ryuichi/

相談員便り(徳弘雅哉相談員)

三菱自動車徳弘です。

突然ですが、「World’s deadliest animals ranked~」ということで、「(年間に)最も人を殺す動物はなんだ?」、というランキングがThe SUN誌に載っています(*1)。

「サメか?」「クマか?」「人間に違いない!」「宇宙じ…」などと、(SFとミステリーが好きな)私の脳内で議論が起こっていますが、1位は蚊。ランキングは以下のようになっています。1位:蚊(750,000人/年)、2位:人間(440,000人/年)、3位:ヘビ(100,000人/年)、4位:イヌ、5位:カタツムリ…サメは15位、クマはランク外でした。

「いやいや、知らないだけでね、完全犯罪というものが(以下略)」「いやいや、知らないだけで、宇宙人は既に地球に(以下略)」という(ミステリーとSFが好きな)私の脳内の反論は間違っているようです。動物そのものではなく、悪いウイルスなどを媒介している動物も含めて、ということでしょう。また、新型コロナウイルスなどのウイルス関係はもともと対象から外れています(最近のWHO(世界保健機関)の発表では、新型コロナウイルスによる死者数は、全世界で6960,000人)。

数字で発表されると、より客観的に、そして実感として理解できますね、という話なのですが、WHOとILO(国際労働機関)が2021年、共同で以下のような発表をしています「2016年、世界全体で週に55時間以上働いて心臓病や脳卒中などで亡くなった人は、745,000人」(*2)。長時間労働と死因の関係を世界的に調べた研究は、初めてとのこと。単純比較はできませんが、「蚊」と同程度の方が影響されてなくなっているという試算ともいえるでしょう。

これによると、以下のようなことも言えるそうです。[1]週に55時間以上働いた人は、35時間から40時間働いた人に比べ、脳卒中などを発症する可能性が35%増、心臓病で亡くなる可能性も17%増。[2]週に55時間以上働く労働者は、世界全体の9%で、その割合は年々増えている。[3]特に東南アジアや西太平洋地域の人たちへの影響が大きく、さらに長時間労働で死亡した人の75%近くが中高年の男性だった。[4]推計される人口寄与危険割合は17%とのこと。

つまり、アジア圏では、長時間労働による健康影響が強く出ている一方、対策をきちんとすれば、かなりの発症(1~2割)を予防することもできる、ということになります。

厚生労働省も、11月は、「過労死等防止月間」として、「しごとよりいのち。」をテーマに種々の啓蒙活動を行っています(*3)。残業が無い世界はまだまだ先かと思います。まずは、面談などを通じて、ハイリスク者の適切な把握と指導に努めたいとおもっています。過去、面談した方で、「時空が歪んで会社が家にあればいいのに、通勤時間も光の速度で(中略)無いことに…」などとおっしゃる方が居られ、(SFとミステリーが好きな)私の眼はキラキラしたものですが、「結局それは在宅勤務ではないのか」と思ったことがありました。新型コロナウイルス感染症が流行する前のお話です。

(*1)
https://www.thesun.co.uk/tech/10450075/worlds-deadliest-animals-ranked/ 

(*2)
https://www.ilo.org/global/topics/safety-and-health-at-work/resources-library/publications/WCMS_819788/lang–ja/index.htm 

(*3)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/karoushizero/index.html

《徳弘相談員の研修会》
https://okayamas.johas.go.jp/tag/tokuhiro_masaya/

2.研修会のご案内

研修会についてはこちら
https://okayamas.johas.go.jp/training/

3.産業医研修会

産業医研修会についてはこちら
https://okayamas.johas.go.jp/tag/ss,sj,sk/

4.高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのご案内~「精神障害者雇用管理ガイドブック」~

高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、精神障害者の雇用管理上のノウハウをまとめた「精神障害者雇用管理ガイドブック」を作成しており、ホームページからダウンロードできますので、御活用ください。
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai71.html


次回の第191号は2023年11月15日に配信予定です。