相談員便り
R7年度研修について(高尾総司相談員)
2025年度もどうぞよろしくお願いします。
研修等につきましては、今年度から大きく形を変えました。ながらく実施してきました、企業の人事総務担当者を主たる対象とした労務管理主体のメンタル対応に関する事例検討会を終了しました。
一方で、あらたに産業医を対象に「組織対応(企業の運用を変えること)ができる」産業医の養成コースを始めました。本メルマガで募集することも想定しておりましたが、開始時期も加味して、今年度の対象者10名は別途募集をしました。そのため、本メルマガで関心をもっていただきました読者の方には、来年度の事前申し込みをいただければ幸いです。詳細は、当講座のHP( https://www.unit-gp.jp/eisei/wp/?p=7197 )で紹介しておりますので、ご参照ください。
そのほか、産業看護・保健職向け研修会(偶数月)と人事総務担当者向け研修会(奇数月)を同じ6つのテーマについて、実施します。全体としてのテーマは、「メンタルヘルス対応 総論・各論」であり、個別テーマは次のとおりです。
- 総論 大原則と三原則・二つの健康管理
- 各論 原職復帰の原則
- 手順と様式の概要
- 面接シナリオの活用法
- 関係者の関わり方
- 安全配慮義務に関する正しい理解
ぜひ、ご参加を検討ください。なお、対象外の職種の方でも、内容的にフィットしにくい場合があることをご理解のうえであれば、受講いただいて差し支えありません。
産業医生涯研修会は2回実施します。なお、2017年度より実施しております、産業医基礎研修会につきまして、一点追加の案内があります。近年、公務職場における産業医活動についても、多少なりとも進んできた印象がありますが、一方で産業医基礎研修会の人気が高く、なかなか資格が取得できないとの問題がありました。
そのため、2025年11月、12月に、自治体等公務職場の産業医をしているが資格がまだない先生、あるいは公務職場での産業医をすることが決まっている先生を対象に(初年度は優先して)基礎研修会を実施します。( https://www.unit-gp.jp/eisei/wp/?p=7214 )
以上、事務的な内容が中心となりましたが、また何かニーズ等ありましたら、ぜひお知らせ下さい。
ポッドキャストで、二つの健康管理、大原則・三原則などの基礎の基礎から、産業医保健に関する具体的なお困りごとまで、弁護士・社労士と三人でとりあげています。聴いてみてください(https://anchor.fm/fukushoku-meijin)。
《高尾相談員について》
https://okayamas.johas.go.jp/consultation/advisor-profile/#takao_soshi
仕事が出来ない、うまくいかない…(中島誠相談員)
最近、仕事がうまくできない人が少し増えたような気がします。その状況から、まず適応障害を思い浮かべますが、よく話を聞いてみると、最初から適応そのものが難しいのかもしれないと思うこともあります。言い換えると、その仕事内容をこなせるレベルに達していないのではないかと感じています。
学校でキャリア教育が始まって20年くらいになるでしょうか。キャリア教育を受けていても、仕事がうまくいかない人の中には、誤ったかも知れない職業選択をしている可能性があります。
以前、あるところで、コミュニケーション力が必要とされる職業を選んだ人と話をする機会があり、その方は、元々人の気持ちはわからないので、わかりたいと思ってこの職業を選択したと仰っていました。その時は、そうなのかと感じただけでしたが、よく考えてみると、職場はコミュニケーション力を磨く場であっても、それを学ぶ場ではありません。
もともと人の気持ちがわからないということですので職場でのストレスや苦労も多いでしょうし、後に挫折してしまう可能性も高いと思われます。不得意な分野をあえて選択するという生き方もありますが、得意あるいは不得意ではない分野を選択して、それを伸ばす生き方の方がストレスや苦労は少ないのではないかと思います。
キャリアコンサルタントという国家資格があります。キャリアに関するプロであり、職業選択などで悩んだ時に相談に乗ってくれる専門家です。職場などに気軽に相談できる仕組みがあったらいいですね。
学校を卒業したばかりの人が社会に出て仕事をするためには、コミュニケーション力が必要です。ここ数年、コロナ禍で自宅学習が続き、アルバイトもできず、そのためコミュニケーション力を磨く場がなかった中での就職になってしまい、就職した会社で誰にも相談できず孤立してしまう事態に陥っている人もあるようです。
このような社会背景の中で、新人を受け入れる側としてどのように考え、対応すればいいのでしょうか。
以前、新入社員が合計100人の先輩社員と会話できるように会社がセッティングして新入社員のコミュニケーション力を磨くという内容のテレビ番組を見たように思います。コミュニケーション力を身に着けていくにはトレーニングが必要ですので、そのようなチャンスを会社が用意されたことは素晴らしい取り組みと感じました。
改正障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が令和6年4月1日に施行されました。この法律では、例えば、入社後に仕事をうまくこなせず、病院受診をして発達障害の傾向のあることを初めて診断されたケースについては、合理的配慮の提供義務違反は問われませんが、そのような場合でも、本人と会社が、障害について周囲に伝えるのか伝えないのか、会社がどのように対応できるのかなど必要なことをよく話し合うことが望まれます。
《中島相談員について》
https://okayamas.johas.go.jp/consultation/advisor-profile/#nakashima_makoto
研修会のご案内
研修会についてはこちら
https://okayamas.johas.go.jp/training/
産業医研修会についてはこちら
https://okayamas.johas.go.jp/category/training/ipt/
STOP!熱中症 クールワークキャンペーン推進大会
職場での熱中症により、近年は1年間で約30人がなくなり、約1,000人以上が4日以上仕事を休んでいます。
岡山労働局では、関係団体等との連携の下、熱中症予防対策の徹底を図ることを目的として、STOP!熱中症クールワークキャンペーン推進大会を開催します。
本推進大会では、本年6月に熱中症対策に関する改正労働安全衛生規則が施行されることから、改正法令の説明や
STOP!熱中症クールワークキャンペーン期間中に実施していただく熱中症対策に役立つ情報を事業場の皆様方に提供します。
内容は、岡山労働局からの説明、「医学的見地からみた熱中症予防」と題して、岡山産業保健総合支援センター産業保健相談員の徳弘雅哉医師の講演、また、協賛企業によるクーリングウエアやウエアラブルデバイスなどの熱中症関連用品の紹介・展示もあります。
2025年6月9日(月)14:00~16:00
ハイブリッド方式(現地開催、 Web開催の併用)、参加無料です。
https://okayamas.johas.go.jp/cool_2025/
高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)から調査研究成果物のご案内
高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、令和5~6年度に実施した「職場における情報共有の課題に関する研究-オンラインコミュニケーションの広がりなど職場環境の変化を踏まえて-」の成果物として、①調査研究報告書及び②リーフレットを令和7年3月末に公表しました。ホームページ(※)からダウンロードできますので、是非御活用ください。
※
①報告書 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku179.html
②リーフレットhttps://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai83.html
「産業保健21」が発行されました
https://okayamas.johas.go.jp/21-120/
情報誌『産業保健21』は、産業医をはじめ、保健師・看護師、労務担当者等の労働者の健康確保に携わっている皆様方に、産業保健情報を提供することを目的として、独立行政法人 労働者健康安全機構が発行しています。
特集:産業保健スタッフの育成
インタビュー産業医に聞く:医学以外の知見との合わせ技で信頼を獲得~予防を重視した積極的産業保健活動を展開~
労働衛生対策の基本:騒音職場とその対策
家政婦兼訪問介護ヘルパーの心臓疾患による死亡に業務起因性が認められた事案(国・渋谷労基署長(山本サービス)事件)
など