相談員便り

モチベーションと職場不適応の話(中島誠相談員)

人々が仕事をしたくなるようという動機づけ(モチベーション)は可能なのでしょうか?

ホーソン研究(Mayo、1933)では、雇用が安定し、一定以上の賃金がある場合、仕事への動機づけは周囲の人や組織内の社会心理的要因により影響あるという結論(人間関係論)で、働く人は非論理的な感情や周囲の人から影響を受けやすいことが分かりました。仕事をする上で、職場環境は無視できない、重要な要素と言えるでしょう。

ハーズバーグ(1966)の研究では、仕事以外に、達成、承認、責任、昇進が動機づけ要因となり、これらが満たされていると満足を与えられるという結果が出され、職場における評価も動機づけに重要とされています(二要因理論)。

ロックとレイサム(1984)は、目標を設定することでモチベーションを高めることが出来ると主張し、その目標は、数字や期日が明確であり、ある程度難易度が高く、実行者が納得できるものであれば、より効果的であると述べています(目標設定理論)。

これらの研究から、意欲がわかない人がいた時には、人間関係を中心とした職場環境の現状と改善、職場における評価の見直し、無理のない目標の設定などを検討するとよいということになるのかも知れません。もちろん、雇用の安定と一定以上の賃金は必要ですが。

以前より、そして今でも適応障害という診断で仕事を休む人たちが多くいます。

パーソンズ(Parsons、1909)によれば、工業・商業などへの産業構造の変化、都市に労働者が集中するという当時のアメリカ社会において、労働力として地方から駆り集められた若年層のうち、仕事にうまく適応できなかった者たちがそのまま浮浪者、町がスラム化する状況が見られ、適切な職業ガイダンス、青少年の適切な職業選択を促進して、彼らの職業生活の確立することで社会全体が改善したということでした。

その職業ガイダンスでは、自分自身(能力、適性、興味、希望、才能、欠点など)をはっきり知ること、職業および職業に就くために必要な能力について理解すること、自分自身と職業との間の関係を正しく推論することの必要性が求められ、このことは、現在、キャリア教育という形で引き継がれています。

それぞれ個人でこうした内容の吟味が十分に出来ますと、適応障害に陥る人は減る可能性もあり、これらのことが該当しない場合には、職場環境の見直しと整備に目を向けることが必要になります。

会社で適応障害で病む人が出てきた時には、キャリアという視点と職場環境という視点で話を聴き、職場での状況を確認し、適切な対応をとることにより、より働きやすい職場になり、会社の業績アップにつながるように思います。

■中島相談員について
https://okayamas.johas.go.jp/consultation/advisor-profile/#nakashima_makoto

研修会のご案内

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「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」について

労働者健康安全機構では、治療就労両立支援センター・治療就労両立支援部が中心となって、全ての疾病を対象とした治療と仕事の両立支援に取り組んでいます。

「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」は、両立支援コーディネーターが両立支援業務を行う際に必要な基本スキルや知識に加え、事例紹介等、支援を実施する上で留意すべき事項などを記載しています。

当マニュアルは、医療従事者や企業の人事・労務担当者、産業保健スタッフの方々にも両立支援の基本的な取組方法をご理解いただけるように構成され、両立支援コーディネーター基礎研修のテキストとしても活用されています。以下URLから無料ダウンロードが可能ですので、是非ご活用ください。

同WEBページには、マニュアルのほか、実際に両立支援を行った事例をもとに、医療機関における両立支援コーディネーターの活動とその役割、産業保健の視点からの注意点などについて解説を加えた「両立支援事例集」も掲載しています。

★両立支援コーディネーターマニュアルはこちら
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx

傷病手当金のご案内(協会けんぽ)

病気やケガで仕事を休み、給与が受けられない期間の生活を支えるための保障制度が健康保険の「傷病手当金」です。

協会けんぽや健康保険組合に加入している被保険者の方が対象で、所定の条件を満たすと支給されます。
詳細は、ご加入の健康保険にお問い合わせください。

以下の説明は、協会けんぽご加入者さま向けの説明となります。
一緒に見ていきましょう。

■支給を受けるための4つの条件
[1]業務外の病気・ケガによる療養で休んだこと
[2]労務不能であること
[3]連続した3日間(待期期間)を含む4日以上休んだこと
[4]休業期間中に給与が支払われていないこと

続きは
https://okayamas.johas.go.jp/wp-content/uploads/2026/02/mm_219_kenpo.pdf

■全国健康保険協会(協会けんぽ)岡山支部
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/okayama/

衛生管理者のための免除講習(公益社団法人日本作業環境測定協会)

衛生管理者のための免除講習が岡山で開催されます。

公益社団法人日本作業環境測定協会が開催する第一種衛生管理者・衛生工学衛生管理者のための作業環境測定士試験科目一部免除講習のお知らせとなります。

一定の実務経験を有する衛生管理者で本講習を受講して修了した者については、第2種作業環境測定士試験科目の4科目のうち、『労働衛生一般』と『労働衛生関係法令』の2科目が免除されます。

毎年、東京、名古屋、神戸、広島、福岡で実施されているものとなりますが、令和8年度は、5月22日(金曜)に初めて岡山で実施されます。

■衛生管理者【作業環境測定士試験科目一部免除講習】
(公益社団法人日本作業環境測定協会)
https://www.jawe.or.jp/training/exemption/health_supervisor.html

令和7年度 女性の健康週間オンライン市民公開講座~働く女性のヘルスケア最前線~(大塚製薬株式会社)

チラシ[PDF 4.1 MB]

▲視聴申込期間:〜 3月29日(日) 23:59まで>
▲動画配信期間:〜2026年3月31日(火)23:59まで
▲参加費:無料(通信費はご負担ください)

▲セミナー概要:
動画①「知ってラクになる!PMSのメカニズムと対策」(約29分)
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 産科・婦人科 衛藤 英理子先生
動画②「更年期に増える手のトラブルと治療の最前線」(約22分)
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 整形外科 齋藤 太一先生

▲共催:岡山産科婦人科学会/ 岡山県産婦人科医会 / 大塚製薬株式会社ニュートラシューティカルズ事業部
▲後援:岡山県 / 日本産科婦人科学会

■視聴申し込み(大塚製薬株式会社)
https://nccx.otsuka/sem/swo004387

次回の第220号は2026年4月15日に配信予定です。