令和5年:持続的な賃上げに向けて
雇用情勢は、2021年以降、感染拡大前と比べて求人数の回復に遅れがみられる産業もあるものの、経済社会活動が徐々に活発化する中で持ち直している。
賃金については、名目でみると12月における前年同月比の伸び率が25年11か月ぶりの水準となる等、年間を通して感染拡大前の2019年の水準を大きく上回った。こうした中で、2022年の春季労使交渉については、妥結額、賃上げ率ともに4年ぶりに前年の水準を上回った。一方、円安の進行や輸入原材料の価格の高騰に伴う物価上昇がみられ、実質賃金は減少している。(厚生労働省)
動画版「令和5年版 労働経済の分析」を公開します
労働経済白書の7つのトピックを分かりやすく紹介
厚生労働省は、今年9月に公表した「令和5年版 労働経済の分析」(労働経済白書)の解説動画を作成し、12月1日から公開します。
この動画では、「労働経済白書ってなに?」、「日本の賃金って他の国と比べてどうなの?」、「なんで日本の賃金は上がらないの?」等の7つのトピックを取り上げ、分かりやすく解説しています。(厚生労働省)
令和4年:労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題
我が国の経済は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)の影響が続く中、感染症を踏まえた暮らしや働き方、事業活動が定着してきた。ワクチン接種の進展などの感染症対策の取組の成果が現れており、経済社会活動が徐々に活発化し、持ち直しの動きがみられている。
しかし、2021年は新たな変異株の出現などによる感染再拡大や、それに伴う緊急事態宣言(新型インフルエンザ等特別措置法(平成24年法律第31号)第32条に基づく「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」をいう。以下同じ。)やまん延防止等重点措置(同法第31条の4第1項の既定に基づく「新型インフルエンザ等まん延防止等重点措置」をいう。以下同じ。)の発出期間の長期化から、感染状況に応じて経済情勢にも停滞がみられるなど、感染症による景気の下振れリスクは依然として残った。2021年の雇用情勢は、緊急事態宣言下となった1月~9月は一進一退の動きとなったが、9月末に緊急事態宣言等が解除されて以降は、就業者数、雇用者数や求人について回復に向けた動きがみられ、労働市場においては再び人手不足に戻りつつある状況となった。他方で、高年齢層の非労働力化の動きがみられたほか、転職者数は2020年に続き、2年連続で大幅減となった。(厚生労働省)
令和3年:新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響
我が国の経済は、輸出を中心に弱い動きが続いていたものの、緩やかに回復していた中で、依然として続く人手不足感等を背景に 2019年までは女性や高齢者等を中心に労働参加が進んでいた。しかしながら、2020年に入ると、新型コロナウイルス感染症の感染拡大(以下「感染拡大」という。)の影響により、実質GDPは大幅なマイナス成長となった。雇用情勢も大きな影響を受け、最初の緊急事態宣言が発出された 2020年4月には、就業者数、雇用者数が大きく減少したほか、労働参加の縮小の動きがみられ、非労働力人口が増加した。同時に、休業者数が一時的に増加し、完全失業者数は緩やかに増加した。こうした中、労働時間・賃金は大幅に減少した。
「令和3年版 労働経済の分析」では、こうした 2019年及び 2020年の労働経済の特徴を踏まえ、「新型コロナウイルス感染症が雇用・労働に及ぼした影響」をテーマとして以下の2部立ての構成で分析を行った。
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