研究目的:
PAPR(Powered Air Purifying Respirators)はマスク内が陰圧にならないようにファンが作動して陽圧にするため、マスク内への粉じんの漏れ率が少なく、フィットテストなどの圧着に配慮しなくてもマスク内への粉じんの漏れ率が少ないという利点がある。
そのため、高濃度の粉じんあるいはアスベストのような発癌物質の吸入がある職場ではPAPR の使用が義務付けられており、労働安全衛生法第42 条に基づき「電動ファン付き呼吸用保護具の規格」(平成26 年11 月28 日厚生労働省告示第455 号)が定められている。
我々は平成30 年度の調査研究で、通常防じんマスクの漏れ率は15 年前の調査と同様24.8%の漏れ率があるが、PAPR 装着では1%以下の漏れ率であったことを報告した。
しかし、使用後時間経過したPAPR が使用開始後と同様の性能が保たれているかどうかを調査した研究はない。そこで、今回使用後時間が最低でも1年以上経過したPAPR における漏れ率の実態と実際に使用してきた作業者のPAPR の装着感や継続した装着に関する意向について調査した。
作成:岡山産業保健総合支援センター(令和2年3月)
使用後1年以上の電動ファン付き防じんマスク(PAPR)の機能に関する研究
産業保健調査研究発表会のスライドは、労働者健康安全機構のサイトでご覧ください。