2021年12月1日(水)に配信された「岡山さんぽメールマガジン第167号」です。
1.相談員便り
在宅ワーク、テレワークについて(徳弘雅哉相談員)
三菱自動車の徳弘です。
厚生労働省が以前よりガイドラインなどで推進(本年3月に改定)しており、コロナ禍で一気に加速傾向にあるテレワーク、弊社も可能な限り導入しています。また、導入が進むにつれ、各方面から、テレワークの成果などが発表されており、参考になります(下記抜粋です)。
- 職場に出勤したときの生産性を100とした時、テレワークでの生産性の平均値は84.1%だった(0%〜150%まで、幅広く分布した)。(パーソル研究所2020年10月の発表)
- テレワークで生活に変化があった、継続して希望する群は職種や勤務地などで差があった。(内閣府2020年5月調査)
- 米国や日本など7カ国で行った調査にて、日本は唯一「テレワークではオフィスほど仕事ははかどらない」と答える群が多かった(はかどると回答:グローバル平均69.1%、日本42.8%)。(アドビ調査2021年9月の調査)
さて、面談などは面着、現地でないと苦手だなぁと考えていた小職も、健康・医療オンライン診療もICT技術も進んだ今、大学関係の会議について、リモートでの参加をすることになりました。さてさて、何分も前から入ると焦っているかと思われるので(誤解)、ギリギリで入室(危険)。。。あれ?自分こんな膨れた顔だっけ?(カメラが下過ぎたがこれは正解)。。。ライトの関係か能面みたいな顔?(しかもデスクライトを消すと顔が水墨画のような陰影に)。。。背景はボケているのに壁にかかっているTシャツの柄だけくっきり?(某バンドのやや怖い人の顔がプリント、扇風機で揺れているから顔と認識?)、直そうにも家用のズボンしか履いていないのでイスから立ち上がれない。。。
参加者が気の知れた同僚たちだったので、笑われて終了・後輩は無言でしたが、生産性は20%くらいに感じました。幸いにも、ニュースになるような、ペットが乱入、赤ちゃんが乱入などは発生しない状況ではありますが、テレワークから程遠い存在であることが理解できました。
講習、面談始め、色々な作業を効率良く進められるよう、精進したいと思います。
自己紹介(難波靖治相談員)
この度岡山産業保健総合支援センターの相談員となりました難波靖治(なんばせいじ)といいます。今回初めての相談員だよりを書かせていただくこととなりましたので、あいさつ代わりに自己紹介させていただきたいと思います。
1990年に医学部を卒業以降、病院での勤務医をしておりましたが、2021年2月56歳の時に長年勤務した病院を退職、企業産業医として再就職。縁あってそれととともに岡山産業保健総合支援センターの相談員をさせていただくこととなりました。勤務医時代は主に循環器内科で仕事をしており、心筋梗塞や狭心症、心不全、不整脈などの疾患の治療にあたっておりました。そんな勤務医時代にも数社の嘱託産業医をしており、産業医経験も20年ほどになります。最初はちょっとしたサイドビジネス?のつもりで始めた産業医でしたが、いろいろ法律の改正があるたびに、月1回の企業訪問時に担当者より衛生関連の質問を受けるのですが、すぐには返答することもできず困ったことを覚えています(今でもなんでも即答というわけにはいきませんが・・・)。そこで一念発起、平成31年(令和元年)に労働衛生コンサルタント資格を取得しました。50歳を過ぎるとこんなにも記憶力が悪くなるものかと嘆きながら試験勉強をしたことを思い出します。
さて、転職し半年を過ぎました。病院勤務と企業勤務と比較しどこが変わったか考えてみました。病院では当然のこと相手は基本的に患者さんでした。皆さんいろいろな病気をお持ちですが、病気をよりよくするために病院に通院されていることもあり、医師として病気が良くなるためにはこうすべき事、すべきでない事いろいろ助言、指導をしていました。そしてそれができなければどうしてできないのか病気をよくしたいのではないかと半ば患者さんを責め立てるようになっていたのではないかと思います。かたや、企業ではほとんどの人は病気など持っていませんし、自分は健康だと思っている方が多いです。そんな中、肥満、脂質異常症、高血圧症など無症状の人に生活習慣を変えてもらうこと、いや変えてもらう必要性を理解してもらう事から始めなければいません。肥満のひとに運動してください、食事を減らしてくださいと言っても、ほとんど響かないでしょう。特に困っていないのですから。もちろん肥満を放置すれば高血圧、糖尿病、脂質異常症といろいろな疾患が将来的には併発してくることくらいは何となく知っているかも(もしかしたら知らない)しれませんが。そうなのです、企業では健診をして異常値がでてもまずそれが何を意味して、どこに問題が起こる可能性が高くなるから、どうしないといけないかを理解してもらわないといけません。そう、患者さんとは最初から病気を治す(よくしたい)という、同じ目的に目線があっているのですが、企業では、最初からの目線が違っている感じがします。まずはそこを少しずつ合わせていく過程が必要なのかなと思う今日この頃です。
2.研修会のご案内
新型コロナウイルス感染症の感染リスクに十分配慮して「三つの密(密閉・密集・密接)」を避ける対策を講じた上で、研修会を開催しています。
《ピュアリティまきびで開催する研修会》
●12/7(火)13:30~15:00『心の病気について』
→発達障害やうつ病などのストレス関連疾患は、メンタル不調を引き起こす原因になります。それら心の病気について解説します。
●12/23(木)10:00~11:30『LGBTQ/SOGIの
基礎知識と企業が考えること』
→企業の人事や産業保健の担当者が知っておくべきLGBTQ/SOGIの基礎知識を解説するとともに、特に、トランスジェンダー当事者への対応を考えます。※後日(1/20)、YouTube配信あり
《YouTubeで視聴する研修会》
●12/2(木)
『職域における過労死等防止・健康起因事故防止対策について』
→トラック運送事業等における運転中の過労死は、重大な健康起因事故をひきおこすため、特に注意が必要です。この点を分かりやすく解説します。※11/18と同内容(90分)
●12/10(金)
『健康寿命の延伸も目指した健康管理(総論と高血圧)』
→職場における「健康保持増進活動」を推進していくことは、健康日本21の基本的な方向のひとつでもある「健康寿命の延伸」にもつながります。健康診断を契機に食事、運動、睡眠、ストレスなどの生活習慣をなるべく早い時期に見直すことが重要です。今回は「健康寿命の延伸」に関する総論的な事項と各論として高血圧の食事運動療法などを中心に解説します。※11/26と同内容(90分)
《Zoomで参加する研修会》
●12/16(木)16:15~17:00
『モジュール構成による新型研修シリーズ9/12』
→(1)労働時間と健康エビデンス、(2)希望テーマ(受付中)、(3)面接シナリオ「復帰判定通知」
研修日1週間前から講義の動画をYouTubeにて配信しますので、ご視聴ください。研修会当日、16:15~17:00にZoomミーティングにて質疑応答を行います(動画未視聴の方向けに15:30~16:15にZoomにて動画を公開します)。
《中止になった研修会》
●12/2(木)15:00~16:30『難聴患者の労務管理について』
→難聴の病態、難聴をもつ労働者の労務管理について解説する。
3.産業医研修会(2022年1月27日)
研修テーマ:騒音性難聴について
日時:令和4年1月27日(木)15:00~16:30
場所:ピュアリティまきび(岡山市北区下石井2-6-41)
講師:結縁 晃治(ゆうえん医院めまい難聴クリニック院長)
単位:生涯研修(専門1.5単位)
定員:36名
内容:騒音性難聴の病態とその発症予防について、産業医向けに解説します。
申込み開始日:令和3年12月13日(月)
申込はこちら
https://okayamas.johas.go.jp/category/industrial-physician/
次回の第168号は2022年1月初旬に配信予定です。