相談員便り

化学物質の自律的管理 無料訪問サービスのご報告(横溝浩相談員)

今年度(令和6年4月1日)より「化学物質の自律的管理」が全ての項目でスタートいたしました。

しかし、化学物質管理者講習や保護具着用管理責任者講習を受講しても、具体的にどう管理を進めて行けば良いのかわからないと言われるご相談を多数受けています。現在、岡山産業保健総合支援センターが提供させていただいています、「化学物質の自律的管理 無料訪問サービス」をご利用していただきました企業様は3時間という短い時間ではありますが、たいていの事業場様が、この短い時間で法令をご理解いただいているようです。

無料訪問サービスのスケジュールとしては、下記の手順でお手伝いさせていただいています。

  1. 化学物質管理者講習、保護具着用管理責任者講習の受講の有無を確認
  2. 事業場内で使用される化学物質のSDSの確認
    (最新のSDS、濃度基準値設定物質の追加、発がん性区分1の物質の追加)
  3. 厚生労働省リーフレット「新たな化学物質が導入されます」のチェックリストを使用して法令の確認
  4. 工場内の状況を拝見(安全と衛生)
  5. リスクアセスメント支援ツールであるクリエイトシンプルの操作説明(パソコンを準備していただき会議室等でモニターをお借りいたします)と運用
  6. 工学的対策、保護具の説明
    (局所排気装置の設計、実物の保護具を見ていただきます)
  7. 質疑応答

岡山産業保健総合支援センターの相談員は複数名でご相談に応じていますが、私の場合は以上のような流れで進めさせていただいています。

よくある問題点は、上記項目2のSDSが10年前の物、SDS見方が分からない。また、クリエイトシンプルでのリスクアセスメントがうまくいかない、などといったご相談が多くあります。

その次の問題は、クリエイトシンプルで得られた「推定暴露濃度」が濃度基準値の1/2を超えていた場合の「確認測定」、最終的な工学的対策や保護具の選択、「リスクアセスメント健康診断」への実施の判断と次々と必要な対応が生じてきます。

私は、労働衛生コンサルタント(衛生工学)、労働安全コンサルタント(化学安全)、第一種作業環境測定士(1号、3号、4号、5号)のこれらの仕事を行って来て、今年で48年目、ほぼ半世紀になり、岡山県、近隣の県の事業場を数百社担当させていただきました。

しかし、未だに今回の「化学物質の自律的管理」については、試行錯誤の部分があるのが現状です。いつも、自分の知識の無さを感じています。そのため、ご相談いただいている事業場様と一緒に解決してゆければと考えています。

また、労働衛生と並行して労働安全についても労働災害発生ゼロをめざしてKYT、リスクアセスメント,職長教育、各種特別教育も行ってゆきたいと考えています。

《横溝相談員について》
https://okayamas.johas.go.jp/consultation/advisor-profile/#yokomizo_hiroshi

《化学物質の自律的管理 無料訪問サービス》
https://okayamas.johas.go.jp/visit-c/

研修会のご案内

研修会についてはこちら
https://okayamas.johas.go.jp/training/

産業医研修会についてはこちら
https://okayamas.johas.go.jp/category/training/ipt/

治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル

労働者健康安全機構では、治療就労両立支援センター・治療就労両立支援部が中心となって、全ての疾病を対象にした治療と仕事の両立支援に取り組んでいます。

この「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」は、両立支援コーディネーターが両立支援業務を行う際に必要な基本スキルや知識に加え、事例紹介等、支援を実施する上で留意すべき事項などを記載しています。

当マニュアルは、医療従事者や企業の人事・労務担当者、産業保健スタッフの方々にも両立支援の基本的な取組方法がご理解いただけるように構成され、両立支援コーディネーター基礎研修のテキストとしても活用されています。当機構ホームページから無料ダウンロードが可能ですので、是非ご活用ください。

■両立支援コーディネーターマニュアル
https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/1047/Default.aspx

■両立支援コーディネーターについて
https://www.research.johas.go.jp/ryoritsucoo/

次回の第208号は2025年4月15日に配信予定です。